ソウルでの目的は、韓国の地下鉄、国鉄などの交通機関の使い方の会得と、生活様式の習慣やマナーに慣れることである。大都市の市内バスは土地の知識がないと日本ですら乗りこなすことができない。それで、地下鉄や国鉄を利用するものとし、幹線路やその周辺の路地を歩いて、韓国人の生活を感じるために東大門方向へ左回りに散策することとした。
やがて野球場が見えだし、人が多くなりだした。露店も現れ始める。トッポッキや独特のにおいのポンテギなどの食べものから、そのうち何でもそろう市場に展開していく。本屋などでは、日本のファッション有雑誌も店頭にたくさん並べられている。突然ミリオレの前で日本人の呼び出しが聞こえる。日本語が懐かしい。歩道橋を登ると東大門が見えだした。東大門が見えだした。左手は市場で興味もあるが、ここは先を急ぐことにした。東大門市場の前は写真のように荷台を改造したバイクがずらり、布のロールを満載して出たり入ったりと忙しい。どうもこの辺は布地関係の業者が集まっているらしい。
17:30頃 東大門前の大交差点を渡り、地下鉄路線に沿って栗谷路の坂道を登っていく。ソウルは平野の都市ではなく、丘陵地に立つ都市である。だから坂が多い。梨花大学病院からのこの坂道は結構の勾配で、それを登り切った道は、人通りもそれほど多くなく、どちらかといえば薄暗く、下町の風情がある。車道こそよく整備されているが、地堅めが甘いためか歩道のタイルは波打っている。やっているのかどうなのかわからない古い小さな店が道路沿いに繋がるが、やはり布地やシートのような物を加工して販売する店が多いように思える。
やがて、大きい交差点にさしかかり、右折して大学路を北上する。街の様子は一変し、学校などの施設が多い。この広い道はなかなか文化的なムードも漂っていて、日本にも多い、ちょっと西洋的な雰囲気を気取ったような文京区の雰囲気であるが、といって特に目新しいものではない。施設の名前もほとんどハングルのみで書かれているので、実際は何の施設か読みとれなかったが、中学校や通信大学などであるようだ。マロニエ並木の続く歩道もゆったりしていて、映画などの掲示板もなかなかいい。やがて配管をアレンジした、ちょっとごてごてした池があり、マロニエ公園にでる。そこは、旧ソウル大学の跡地らしくそれを意味する彫刻などもあるが、どうってことのない普通の中途半端な公園である。別に学生の街という雰囲気でもなく、幅広い世代の人がいて、今日は雨なのでその多くは屋根付き野外ステージのベンチでくつろいでいる。それでも文芸会館の奥には屋台も出ていて、見渡すとなかなかしゃれた店が多いようだ。週末にはいろいろなパフォーマンスもあってにぎわうそうだが、この日は雨の平日なので人通りも少ない。
2002' 8/22
