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原産地:南米アマゾン川体長 :1mにまで成長
水温 :26〜30度
水質 :弱酸性から中性
飼育・繁殖:飼育は容易だが、繁殖は困難
アロワナは産卵すると、すぐにオスがその卵を大きな口の中に入れるそうです。数日で孵化しますが、しばらくは体の下にある写真のようなヨ−クサック(卵黄)の栄養で育ちます。
さて、そのような観賞魚の中でもアロアナ(龍魚)の飼育は、台湾を中心に絶大な人気を誇っています。しかし、その歴史は以外と浅いのです。
1975年頃、南米から送られてきたシルバーアロアナは衝撃的なデビュー(銀龍)をしたそうです。鋭い刃物のような色と体型をし、一対のひげと尊厳のある顔立ちや立派なうろこを持ち、悠々と泳ぐその姿は龍のようであり、風水魚を重んじる愛魚家に邪を追いやる魚としてもてはやされ、1尾50万円以上で売買されたといいます。
東南アジアにもアロワナがいましたが、気性が荒く飼いにくいので人気のなかったそうです。その後、このアジアアロワナ(右下の写真一番下:紅龍、金竜など)が、成長とともに赤や金のすばらしい発色をすることがわかると、台湾を中心とした飼育家はアジアアロアナの飼育に移っていったそうです。
そして、そのうち乱獲が進みます。結局、アジアアロアナは絶滅のおそれのある野生動物としてワシントン条約で保護対象魚となり、1987年には日本への輸入も禁止されました。現在では養殖によって増えたマイクロチップが埋め込まれたアジアアロアナに限り、輸入ができるようになり、登録をして飼うことができるようになりました。ということでアジアアロワナは、きわめて高価な熱帯魚となっています。
それに対してシルバーアロアナは、進歩した航空輸送のおかげで、安定して野生のものが輸入されるため安価で稚魚が輸入されています。アマゾンの豊かな自然の中ではかなりの数のアロワナが生きているわけです。
アロワナの仲間はまだ数種あります。写真のブラックアロワナも、南米産のアロワナです。幼魚のとき黒字に黄色の縦縞のある姿から命名されたアロアナで、成長するとシルバーアロワナとよく似ています。微妙に体の色が違い、ヒレに黒色が残り、60cmくらいにしか成長しないので、将来の大水槽への心配は少ないようです。しかし、アロワナの中で最も神経質で弱い種なので飼育には注意が必要であるとされています。南米アマゾン川の魚なので輸入も安定していますが、かなりの数が店頭に並ぶまでに死んでいるといわれています。
他にも、オーストラリア大陸にすむノーザンバラムンディ(写真中)など他のアロワナも輸入されるようになっていますが、でかくなることを考えなければ飼いやすいのはやはりシルバーアロワナです。
これらのアロワナの仲間は、中生代の化石からも発見されますので、原始的な魚の特徴を持っている科学的にも貴重な魚でもあります。野生の魚を狭い水槽に閉じこめて飼うことへの後ろめたさもありますが、この魚は生徒にとっていろんな意味で生き物を知るための教材になると信じています。長生きをする魚なので、大切に世話していきたいと思います。
