殿様はとても喜びました。そして、藤馬さんに、言いました。
「お世話になったお礼に何でも望みのものを褒美にやろう。何がいいか。」
と尋ねました。
藤馬さんは、
「隣村の『明神』がほしい。」
と答えました。
ところが、殿様はこのくらいのことで明神の部落をやるのは惜しいと思い、知らん顔をして、
「みょうじがほしいのか。よし、じゃあ『名字』をあげよう。」
と言いました。(聞き間違えたという説もある)
それで、藤馬さんは「阿部」という名字と刀をもらったということです。その刀は藤馬さんの親方に当たる人が大切に保管しているとのことです。
話をしてくださった人・・二名津 田村政(取材当時71歳) 山西明子(〃48歳) 浜西庄松(〃89歳)
明神 谷川 京子(〃39歳)
取材・・・・・・・・・・・・・・平成2年度(浜西さんは平成3年度)
編集責任・・・・・・・・・・・平成9年入学 みかん(5311)